■ 栄木正敏書籍「栄木正敏セラミックプロダクト」の購入のご案内
サ イ ズ:B4変形判200頁
著   者:栄木正敏
出 版 社:風媒社 栄木正敏書籍
本体価格:3,500円+税280円(税込本代3,780円)
購入方法:メールアドレス masa@sakaegi.jp にて栄木正敏まで御住所と電話番号、お名前をご連絡ください。早速、加入者の栄木正敏負担の払い込の加入者口座番号が記載の郵便局扱いの無料赤色取扱い票をお送りいたします。
入金次第、送料無料の栄木書籍(領収書付)を送らせていただきます。
 イタリア国立ファエンツァ国際陶磁美術館で「世界のデザイナー10人展」に選ばれ、2011年には東京国立近代美術館で回顧展を開催した栄木正敏。
 瀬戸という産地を活かした陶磁器デザインを生み出して、地場と生活に立脚した作品や製品の数々が紹介されています。 巻頭論文に多摩美大教授の外舘和子氏、他に諸山正則氏、井上隆生氏が各論。栄木正敏の各作品解説は食器、アートピース、陶壁、モニュメント等産地デザイナーの存在を明らかにしていく40年余の奮闘の歴史でもあります。

 岐阜県現代陶芸美術館で開催された「セラミックス・ジャパン 陶磁器でたどる日本のモダン」展(石川県立歴史博物館、兵庫陶芸美術館、渋谷区立松濤美術館に巡回)では、明治維新から第二次世界大戦までの日本の陶磁器デザインを概観された。これまでこの時代の陶磁史は、幕末明治の万博を背景とした陶磁器の輸出興隆から個人作家の登場へという流れで示されることが一般的で、産業としての陶磁器は連綿と作り続けられながらも、この大きな展開の背後に隠れてしまうように注目されることが少なかった。本書は、まさにその後に続く戦後の陶磁器産業の展開のなかで生きてきた栄木正敏氏の仕事、そして陶磁器デザイナーの存在が確立していく歴史を示す作品集となっている。
 一九四四年千葉県に生まれた栄木氏は、高校時代に日本橋三越の陶器売り場で紅茶ポットを買う。「高校生でも買えるこんな格好いいものを、いつか自分でも作ってみたい」と陶磁器デザイナーを志すきっかけとなったその紅茶ポットは、森正洋氏デザインによるものであった。武蔵野美術短期大学工芸デザイン専攻科を卒業後、名古屋の洋食器メーカーのデザイン部勤務、會田雄亮研究所助手の経験を経て瀬戸へ。市内の工場で日雇い陶工として働きながら陶磁器生産に必要な様々なことを体得し、1973年に企画・製造・販売を行う株セラミックジャパンを杉浦豊和氏と設立。その十年後、栄木正敏デザイン研究所を設立し独立する。産地でスケッチから原型制作を経て完成に至るすべての工程に関わる姿勢をとり、栄木氏はグッドデザイン賞の連続受賞や数々のコンペでの受賞を重ね、一九九七年「世界のデザイナー10人」展(イタリア・ファエンツァ国際陶芸博物館)への森正洋、小松誠氏らと並んでの招待出品、2011年の東京国立近代美術館での「栄木正敏のセラミック・デザインーリズム&ウェーブ」展開催など、デザイナーとしての高い評価と存在感を日本内外で確かなものとしてきた。
 しかしながら、日常の私たちの暮らしのなかで、陶芸作品以上に身近な存在であるはずの器や陶磁器製品において森正洋氏や栄木氏のようなデザイナーの名前をどれだけあげられるだろうか。プロダクトデザインのなかにあるデザイナーの匿名性や「デザイン」「クラフト」などの言葉の概念が整理され普及に至っていない現状のように、実際の生産現場におけるデザイナーの位置は複雑である。このことを本書巻頭論文で外館和子氏が分類整理している。本書では、プロダクトデザインの歴史のなかで確立させてきたデザイナーとしての栄木氏の仕事の位置づけを、外館和子氏、諸山正則氏、井上隆生氏が各論文で行っており、各作品の栄木氏の解説は、陶磁器デザイナーの存在を明らかにしていく奮闘の歴史でもある。そして、今なおこの奮闘は多くのデザイナーたちにおいて続いている。
 本書は食器だけでなく、タイルやモニュメント制作にも取り組む四十年余りに及ぶ栄木氏の活動を網羅し、戦後の陶磁器デザイナーの歩みを知る一冊となっている。


陶芸誌「陶説」平成28年7月号[新刊紹介]74頁「栄木正敏セラミックプロダクト」
花井素子・岐阜県現代陶芸美術館学芸員

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